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2009/02/27

アンワイアード、IWの時代へ[ライフログ編]第8話

第8話「お母さんが撮りためる数千枚の写真」
※荒原稿

嬉しいことに、幼少のころの写真がたくさんある。
ハイキングに行ったときの写真、海へ行ったときの写真、誕生会の写真など、たくさん残っている。
写真を大量に撮ってくれた父親に感謝しなくてはならない。

私が子どものころは、ホームビデオがないので映像は残っていない。
8mmフィルムで撮っているおじさんがいたが、特別な行事のときだけ。フィルムだと、3分程度で1万円くらいかかっていたと思う。

最近、学生さんと「映像で記録を残す」ことの意味について話した。
彼らのポケットには、カメラ付きケータイ、そしてカバンの中にはいつもコンデジが入っている。写真を撮ることが、日常の特別ではない行為として身についている世代だ。

写真は、記憶の「切り取り」である。画面に入れたくない風景や人物を除外することができる。子どもだけ写したいときは、ズームなどでフレーム内におさめることが可能だ。

映像も同様だが、手持ちで撮っていると、撮影対象ではない人物や風景が映り込んでしまう場合がある。

実は、余計なものが映り込んでいる方が、後々楽しめる。
子どものうしろを横切る近所のおじさんやノラ猫、走り去るクルマ、騒音など、撮影時のさまざまな情報が記録されている。

「アッ、あのオジさん、懐かしい! 今、どうしているんだろ。」
「ラーメン屋の看板が映っている。家族でよく行ったな~」

写真は「切り取り」だから、欠けている情報は頭の中の記憶と想像力で補う。それが楽しい。

映像は、圧倒的な情報量で、当時生活していた日常の風景をまるごと取り込んでいる。”自分”と周りの関係性をあらためて見直すことができる。これも面白い。

私が幼少の頃は、カメラを所有していない家庭もあり、そう手軽に使えるものではなかった。現像やプリントにもお金がかかる。

現在は、携帯電話にもカメラが搭載されている。
ハイビジョン動画が撮れるムービーカメラも、安価なものなら2万円台で買える。

知り合いの女性は毎日、赤ん坊の写真を撮っている。ニコッと笑っただけで撮りたくなってしまうそうだ。10歳くらいまで、何千枚、何万枚と撮っていくのだろう。

しかし、数千枚、数万枚という量になってくると、もはや全てを見ることはできないだろう。

先日、そのお母さんに会った。
私を見つけるなり、興奮気味に語った。

「知ってる? iPhotoってソフトがあるんですよ」
「タ~くん(赤ちゃんの名前)の”顔”で検索できるんですよ!」

育児中のお母さんコミュニティで話題になっているそうだ。

あっ、なるほど、そっちの方向にも動いているんだ。
そうか、そうか‥
ライフログの変化球かと思っていたが、意外と本流かもしれないな。

つづく

※荒原稿

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