本の制作日記[3]
しばらくは「制作日記」形式で進めていきたい。このブログは、そもそもFlash本の制作日記を公開する目的で昨年5月に立ち上げたもの。1年経たないうちに少々ズレてきていたのだ。
このブログのように作業の進捗を日記などで公開している人は意外に多い。私も同業者を中心に毎日のぞいているブログが多々ある。これは「対人比較欲求」によるもので、他人と比較して自分の位置を確かめる行為だ。
自分と同じ位置にいる人のブログを見つけたら、これはもう絶好の比較対象となる。通常、学生なら学校の友人、会社員なら会社の同僚、主婦なら近所にいて毎日会うような主婦たち、等々‥身近なところに比較対象が存在する。
ところが、フリーランスという立場だとそういう環境にない人が多い。比較対象が見つからないと心理的に不安定になる。そこで、対象は実社会ではなくネットに向かう。(近所付き合いのない主婦も同様かもしれない。)私が「締め切りに間に合わず四苦八苦しているライターさん」の日記を見て、なぜかホッとしている心理というのは、対人比較欲求が満たされたことによる。
「理想の自分」と「現実の自分」のギャップが大きいほど、いたらないところに目がいくもの。例えば、本を読んでいてもテレビを見ていても、気が付くと”自分の心の内”を考えていたりする。外部意識より自己意識が高い状態。息抜きで読書しているはずが、心の中では「マズイなぁ、仕事しなきゃ」などと思ってる状態である。
某有名漫画家さんの日記をよく見るのだが、かなり苦しんでおられる。仕事も間に合わず、落としている。(何年も見ているので、ネタではないことが分かる。)小説家でもそうだし、デジタル関連の本を書いている人などでも、なかなか原稿が書けないと苦しんでいる人がいる。原因は明らかで、「高いハードルを設定している」からだ。達成目標が高すぎると、ある日突然、無気力になったりする。時間は十分あるのに書き出せない日が続く。ちょっとだけハードルを下げれば良いことだが、そう簡単に修正できないのが難しいところ。
実は私もハードルを高くすることが多いので、同様の経験をする。プロジェクトスタート時は、必ず高いハードルを設定してしまうのだ。それでも数年前から若干、改善してきている理由は「相対評価」(他人と比較して自分を判断)だけではなく、「絶対評価」(測定可能で数値で表せるもの)を強く意識するようになったからである。
クリエーターが自分の実力を100%発揮するには、自己意識や自己評価、対人方略など含めて知識を持ち、セルフ・プレゼンテーション能力に収斂させていくことが得策と考えている。「あんな実力のある人が、なぜ貧乏してる?」という話は山ほど聞くが、単に”引っ張り上げてくれる人”との出会いがないと言ってしまうと、もう運の善し悪しになってしまう。もっと前のプロセスにおいて、やっておくべきことがあるのではないか。
‥まぁ、そんなことをテーマにしながら書いているのが「次世代クリエーター論」。デジタルデザインの最新動向や技法などを体系化したものではないのだ。出版社は「その内容だと売れないのでは?」と判断、実は‥私も同感。ということで、2バージョンにした。
新しい切り口のクリエーター心理制御本は、個人的に”語り下ろし”(つまり音声)でネットにアップしようかと思っている。今も改訂本の作業を進めながら、ボイスレコーダーに吹き込んでいる。慣れると音楽を聴きながら作業する感じに近い。1人ブツブツしゃべりながら机に向かっている姿は怖いと思うが‥
(だから、人がいないときに実行中)
1月 19, 2005 [01bi1]本の執筆-進捗! | Permalink
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