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2004/09/02

Adobe PageMill から得たもの

「Webリフォーム」コンセプトの新しい本、今日から構成の作業に入る。部分的に執筆もスタートする。(取材も始めようと思っている。)
現状把握のため、Webデザインの歴史についても触れていく必要がある。本のなかで是非とも紹介しておきたいのが「PageMill」というアプリケーションソフトである。今日は、少しだけ‥この話題を。
Adobe PageMillのアイコン
PageMill が登場するまでは、1ページ15,000〜20,000円が相場。これは基本ページの価格。(1ページの基準というのは紙ベースの考え方だったのだ。)作業は、原稿をテキスト入力してタグをマークアップするだけ。挿入されるイメージは、画像処理の別料金。テキストを流し込んだだけのHTMLファイル、

100ページこなせば150万円である。3日間ほどの売り上げだ。トップタイトルのGIFアニメーションに10万円〜という価格設定をしている制作会社もあった。

バブリーな時期はしばらく続いたが、1996年12月に「Adobe PageMill 2.0」がリリースされてから状況が変わってきたと記憶している。「Adobe SiteMill 1.0」のリリースも大きく影響した。SiteMill というのは、サイト管理ツールである。Dreamweaver の[ファイル]パネル([サイト]パネル)をイメージしていただきたい。

Adobe PageMillのスタートアップ画面

安価なPageMill とSiteMill を導入して、ページデザインを安く受注する制作会社が増えてきたのだ。(当時、業務用のHTMLオーサリングツールは高額だった。)テンプレートにテキストを流し込んでレイアウトする作業などは、仕様書があれば学生アルバイトでも可能となり、プロのデザイナーはサイト全体のデザインにじっくり取り組めるようになった。この頃はまだ、Webデザイナー、Webクリエーターという肩書きで仕事している人は少なかったが、サイトの構造デザインへ移行した人は、Webプロデューサーと名乗っていたような気がする。
グラフィックデザイナーだけではなく、プランナーやプログラマ、カメラマンなどからWebプロデューサーという職へ移行した方々もいた。

Adobe PageMillの設定ダイアログ

プロジェクトで作業が進むようになって、Webサイトの仕様書、スタイルガイドなどを用意するようになった。例えば、行揃えで使用するタグを統一したり、カラーライブラリやグローバルパーツなどを専用ツールで管理して共有化するようになったのだ。また、CGIで新着情報を自動更新できる仕組みをクライアントに提供する制作会社もあった。(Macromedia のContribute のような自作ツールを提供して、Webに詳しくない担当者であってもページ更新を可能にしていたのだ。)

Adobe PageMillの編集画面

とにかく、Webデザインに携わるクリエーターは、泳ぎ続けないと死んでしまうサメのように、日進月歩で進化するWebテクノロジーを追いかけ、既存のデザイン技法を当てはめ、試行錯誤を続けながら、実践(仕事)するしかなかった。デザインが商売だから、仕事をして生活費を稼ぎながら勉強するのである。逆の見方をすれば、勉強しながら仕事している人ばかり、要するにベテランが存在しない業界だったのだ。

7、8年経った現在、当時、徹夜続きで寝袋を必需品としていたデザイナーの多くは、制作会社の経営者である。まだまだ若い業界だが、それでも‥ゆっくりと世代交代が進み、Webデザイナーを育成する立場でがんばっているのだ。

9月 2, 2004 [06wc1]ウェブデザイン[コラム] |

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